入れ替わり

入れ替わりシンドローム【シェアワールド】
（設定）時は21世紀。地球上の文明は、あいもかわらず様々な問題を抱え、人々に矛盾を突き付け続けてている。人種間・民族間での対立、収入や職業での差別、伝統と進歩のバランスなど・・・ある時は世界に希望をもたらし、またある時は絶望を人々に向けて振りまく。だが、とりあえずは一つの秩序を存続させ、人々を育んでいた。しかし、この仮初めの平穏はある日突然終わりを告げる。世界中の人々は突然、入れ替わりはじめたのである。入れ替わり現象は日々発生し、社会を混迷に陥れた。その結果、原因こそ不明なものの、入れ替わり現象について、調査と統計の結果、ある程度の法則性が発見された。入れ替わり現象は、大きく分けて三つのパターンに分けられる。一つ目は、周囲の人間と玉突き式に次々に入れ替わるパターンである　「Pattern Ｇ」三つの中で一番最初に、日本のとある大学で確認された。一つの講義室で講義を受けていた男女百人あまりが、集団入れ替わり現象を起こしたのだ。このパターンの特徴としては、・入れ替わり発生時には、周囲が光に包まれる・入れ替わり後は、入れ替わる以前の記憶や能力に加え、それ以前にその体の持ち主が　持っていた記憶や能力も手に入れる事ができる・入れ替わりは必ず異性間で起こるというものが挙げられる。二つ目としては、一対一の入れ替わりパターンである　「Pattern Ｐ」アメリカでの女優と子供との入れ替わりが、このパターンの最初の確認例である。が、恐らくそれ以前から発生していたと見て間違いない。このパターンの特徴には、このような点がある。・入れ替わりは常に一対一で発生する・空間位置が遥か遠くの人間とも、突然入れ替わりが発生する。・入れ替わり時には、入れ替わる人々が全身に痙攣のようなものを起こし、人格が交換される・入れ替わりによる記憶の共有は行われない・入れ替わりは異性間でも同性間でも発生する。というものが挙げられる。三つ目は、これら二つに当てはまらない入れ替わり現象である　「Pattern Ｉ」・少人数かつ同性間での入れ替わり・集団入れ替わりの際に人格の入っていない体が存在し、入れ替わりに巻き込まれた　ある人物が多重人格状態・条件はパターン2とほぼ同じだが、記憶の共有がなされ、同時刻に複数の人物が入れ替わるなどといったケースが報告されている。いずれの場合も、報告されている絶対数が先の二パターンに比べて少ないため、暫定的に「その他」へとカテゴライズされている。また、パターン間の共通項として、・人種や疾病の違い、有無は関係しない・極端な年齢差の人間との入れ替わりは発生しないが、20～30歳差の入れ替わりも　時々起こる。・パターン2やパターン3の際、入れ替わりの対象が、入れ替わり現象を起こしている人物の　肉体に直接接触した人物へと移ったというケースが報告されているという点が挙げられる。さて、これから皆さんにお見せするのは、今も地球上のどこかで起こり続けている入れ替わり現象についての記録である。一口に記録といっても生体データやビデオ映像など様々なものがあるが、今回お伝えするのは、入れ替わり現象に遭遇した人々の証言記録である。情報の出所は各国や地域の警察やさまざまな省庁、地方自治体、あるいは民間のジャーナリストなど、その出所は様々である。なお、ケースに割り振られている番号はここで紹介する際便宜上つけたものである。現象の発生した順番や社会に与えた影響など、特定の法則を基にしているわけではないので、その点留意いただきたい。また、個人情報保護の観点から、証言者の姓名の公表は行わないものとする＊掲載者注　パターンの違いをより明確にする為、記録上下記のように分類した。　「Pattern Ｇ」：Ｇｒｏｕｐ＝群間入れ替わり。識別パターン色はグリーン　「Pattern Ｐ」：Ｐｅｒｓｏｎａｌ＝個人入れ替わり。識別パターン色はピンク　「Pattern Ｉ」：Irregular＝Ｇ、Ｐに当てはまらない入れ替わり。識別パターン色はブルー（ｲﾝｼﾞｺﾞ）