オレオレ詐欺

テレビを見ていると、こんなCMをやっていた。

電話が鳴った。男が受話器を手に取り、電話に出る。

「はい、もしもし」

「わたし、わたし」

若い男の声が聞こえてきた。

「誰だ？変ないたずらはよせよ！」

「わたしよわたし、わからない・・わよね。あなたのお母さんよ。」

「お袋？お袋がなんで若い男の声をしてるんだよ。」

「今、話題になっているBBSにかかったみたいで、居間でテレビを見てたんだけど、気づいたら沖縄にいて、入れ替わった男の人、借金があったみたいで、怖い人たちに返済を迫られているの。だから、お願い、今から言う口座にお金を振り込んで！」

「逃げられないのかよ。」

「逃げられないの。だってこの人、怖い人達に捕まって、彼らの事務所に連れ込まれていたらしいの。お願い助けて！」

「分かった。お袋、そいつらに変わってくれ！」

「分かったわ、あ、やめて、お願い、息子がお金を振り込んでくれるから乱暴はしないで。やめて！」

お袋だと自称する若い男の声が、悲鳴に変わった瞬間、電話が切れた。

「お袋？お袋！お袋！！」

受話器をつかんで、必死に叫ぶ男性のアップで画面が止まり、そこにかぶさるように、警察の制服を着た男性が現れた。

「最近、このようなオレオレ詐欺が頻繁に起こっています。BSSによって高齢の方が他人と入れ替わり、入れ替わった人の借金の返済を迫られているというオレオレ詐欺の被害が、最近、増えています。皆さん、こんな電話が掛かってきたら、落ち着いて、必ず親御さんに確認をしてください。それで、詐欺の被害は避けられます。まずは、必ず確認をお願いします。警察庁防犯課からのお願いです。」