「檻〜ORI〜」 本章・皮の檻(八)
作:JuJu



「もうやめて……お願い。わたしがあなたに、何をしたというの?
 ……ああっ!」
 お尻の穴をこじ開けて、バイブが入って来るのが分かる。そして、わたしの体全体が、バイブの侵入を歓迎をしているのを感じた。
(お尻の穴で感じるなんて……。それもあんなに大きなバイブで)
「どうだ、堪らないだろう?
 なにしろ体の中で一番感じるように、特に手厚く調教しておいたからな」
(わたしは、お尻の穴にバイブを入れられて、感じる様な体になってしまったんだ。体中のどこよりも、お尻の穴が一番感じる体になってしまったんだ)
 アソコに刺さったバイブも、依然として活発な運動を続けていた。アソコとアナルの二つの快感は、互いに相乗しあい、あまりにも甘美な快感を脳にもたらせる。
 絶望的な気分に加え、前からと後ろからの同時攻撃に、わたしはもう、抵抗する気力さえなくなっていた。
(もうだめ……)
 その時、男の声が聞こえた。
「落ちるにはまだ早いぞ。まだ最終試験が残っている」
(最終試験……?)
 わたしはわずかに目を開けて男を見た。男はリモコンに手を伸ばした所だった。
 男がリモコンを操作するのと同時に、アソコとお尻の穴に異変を感じた。
(えっ!? これって……)
「それがただのバイブだと思っていたのか? そのバイブは、リモコンで膨張するように出来ているのだ。
 どれ、もう一回り大きくしてみよう」
 バイブが、激しい振動を続けながら、わたしのアソコとお尻の穴を広げて行った。
 男がリモコンを操作すると、バイブは何度も何度も大きくなった。
 バイブが膨張をするたびに、快感がわたしの心に深く突き刺さって行った。
 膨張したバイブが震えるたびに、心に突き刺さっている快感の芯から、まるで植物が根を張るように、快感の根が伸びて、わたしの心をすみずみまで浸食してゆく。
「あああーっ!」
 わたしは叫んだ。叫ぶことしかできなかった。叫ぶことによって、快感を吐き出そうとするかのように。
 そしてわたしは、いつしか気を失った。



「本章・皮の檻」おわり/「終章・心の檻」につづく