探しています

 作:月より


40年ぐらい前に、掲載されていた漫画の「TS作品」を探しています。
ゲームボーイ(白)が、発売された後の作品だと思います。
「コロコロ」「ガンガン」といった、すごく分厚い子供向け雑誌に掲載されていたものです。
話はの内容は、大方、こんな感じですが、少し、私が盛った気がします。
登場人物の名前は、あくまで(仮)です。




平和な妖精界に、突如として現れた怪物に襲われ危機が迫っていた妖精たちは、人間界に助けを求めることにします。
妖精界と人間界の境目に小さな穴を開けて覗くと、そこはとある小学校の教室の放課後でした。教室にはまだ残っていた子供たちがいます。小さな穴は窓側に開いていたので、だれも気が付いていません。

「敬太君、学校にゲーム持ってきたらいけないんだよ」
「いいんだよ。先生にみつからなけりゃ」
「あやちゃん、言ってもどうせきかないんだから。ほっときなよ」
「うーん。敬太君はそんな悪い子じゃないよ」

その様子を小さな穴から覗き見ながら、妖精たちは特別な人を探していました。
『ほら、いま話しているあの女の子。ベルと波長があってるよ』
『うん。あたしの波長とあってる。あたし、あの子の胸元にある宝石に入り込こむよ。そして妖精界を救ってもらえるようにたのんでみる』
『ベルと波長が合っているから問題ないはず。問題なのは、この穴がいつまでもつのか不安な事。だから、早く帰ってきて』
『わかった』

ベルは、あやが胸元につけていたペンダントに狙いをつけて、小さなあなから飛び出しました。あやは教室の廊下側にいましたが、それでもわずか数秒でペンダントに入り込めるはずでした。だが不幸なことに突如前を遮った白いものをよけきれず、ベルはその入ってしまったのです。

『しまった。あの子の宝石の中じゃない。ここはどこ?』
「なんだ、急にゲームボーイが光ったぞ。壊れたのか?」

ベルが入ったそれは、敬太が持っていたゲームボーイの中でした。

その直後、窓から今度は大きな物体が飛び出てきました。それは妖精界を襲っていた熊のような怪物です。小さな穴をむりやりこじ開けて人間界に飛び込んできたのでした。その衝撃で子供たちは倒れ込んだものの、幸い廊下側のドアは開いてましたので、子供たちは一斉に逃げ出しています。
教室に残っていたのは、ゲームボーイを持ったまま倒れていた敬太と、先ほどの衝撃で気を失っていたあやのふたりだけ。

「うーん・・・ゲームボーイ、爆発したのか?なんだ、窓に変な穴が空いてるぞ」
『ベル・・・怪物がここまできてしまっている。ベル、早く帰ってきて』

窓に空いた空間から妖精たちが呼んでいます。怪物がこじあけた穴は徐々に小さくなってきているようです。

『ケイタ君だっけ、聞こえてる?あたしはベル。まちがってこの白い箱に入ってしまった。妖精よ』
「おお!?ゲームボーイが喋った!」
『本当は、あの倒れている女の子の宝石に入り込むはずだったのだけど』
「あやは、だいじょうぶなのか?」
『ええ、あたしとあの子波長が合っているからわかるの。気絶しているだけ。もう時間がないの。ケイタ君、あの怪物から私たち妖精を、妖精界を助けて』
「あの怪物って・・・おれそんなに強くみえる?警察よばないと」

熊に似た怪物は、キョロキョロしていましたが、ひとり倒れているあやにいつ気がついてもおかしくありません。

『心配ない。波長は私と合わないけど「変身」すれば、あの怪物なんか、すぐに倒せるはず』
「おお、変身って、仮面ラ〇ダーみたいに強くなれるなら、早くやって」
『わかった。あたしの光っているところを触ってみて』

敬太がゲームボーイの光っている画面を触ると、ゲームボーイが光りはじめて白いブレスレットに変形し、左手首に装着されてしまいました。

「うわ、なんか、かっこいい!」
『そしたら「メタモルフォーゼ」と叫んで」
「わかった。メタモルフォーゼ!」

その声とともに敬太の身に着けていた子供っぽい服が眩しく光りだします。それはすぐにおさまりましたが、彼の姿は思い描いていたような「仮面ラ〇ダー」のようなものとは違っていました。


「仮面〇イダーじゃない。恥ずかしい・・・」
『仮面ライ〇ーってものがよくわからいのだけど』
「だって、ピンクでスカートで羽もついている」
『あたしが、コスチュームになっているから仕方ないでしょ。強くなっているはずだから我慢して』

熊に似た怪物は、倒れていたあやに気づいて近づいてきます。

「わかった。あやが危ない。パンチでもキックでもすれば、倒せるんだな?」
『うん、あの程度の怪物なら、問題ない』

敬太は、地面をすべるように熊の怪物に背後から近づくと、キック・パンチを連打しました。

<わうん?>

熊の怪物には全く効いていません。でもあやに向かっていた視線がこちらに向きます。その後も攻撃を繰り返しましたが効果はありません。怪物の動作が遅いので避けることはできましたが、一発でもあたればと思うと油断はできないのです。

『ケイタ君との波長があわなくても、少しはやれると思ったのだけど・・・あの子じゃないとダメなの?今から、あの子に乗り移っても気を失ってる。どうすれば・・・』
「キックもパンチも効かないよ。ベル、どうすればいい?あやに近づくな!」
『・・・そっか、これなら。あの子と同じ形に作り変えれば、ケイタ君もあたしと同じ波長になる!』

ケイタの身体が、突然変化を起こしました。
「う・・・なんだか心臓が熱い!?」
突然、ケイタの放ったパンチが熊の怪物を黒板まで吹き飛ばしました。

「はぁ、はぁー。ようやく倒した。あれ、声がおかしい。なんだか、あやみたいな声に」
『ようやく倒せたね。ごめんね。やっぱり波長が合わないとだめだったみたいだから、ケイタ君をあの子と同じ形にしたの作り変えたの。 今、ケイタ君の身体は、手も足も髪も爪の先まで何もかも、あの子、アヤちゃんと同じになったの。成功してよかった』

敬太の姿は作り変えられ、あやと全く同じ姿になりました。コスチュームがとても似合っています。敬太は、あやに作り変えられた自分の腕をじっと見つめ、そして両手で胸を押さえました。

「ここ、少し膨らんでいる。おれ、あやになってるんだ」
『うん、ケイタ君の身体はすべてアヤちゃんの身体。今、あたしと波長が同じだけど、性格まで変わってなくてよかったわ。それじゃ変身を解除するよ』

変身を解除すると、妖精のコスチュームを着た敬太は元の姿に戻ります。ブレスレットからベルが現れると、ブレスレットもゲームボーイに戻りました。
窓に開いた穴は、まだふさがっていません。穴の向こうからは妖精たちが早く早くとせかしています。

『ケイタ君、本当にありがとう。これからはアヤちゃんに妖精界に来てもらって、あたしたちと一緒に怪物たちをやっつけてもらうの。妖精界の時間の流れは人間界ではほんのひと時だから、人間界でアヤちゃんがいなくなるのは毎日1分ほど。だから心配しないで』
「人間界の1分って、妖精界のどれくらいなの?」
『1か月かな?あ、妖精界では年は取らないよ。とりあえず、今はアヤちゃんの胸元の宝石に入って、波長をつなげてから妖精界に帰るわ。そうしないと妖精界と人間界の穴がここにつながらないの』

圭太は少し考えて、ベルに言いました。

「ベル、おれ、あやと幼馴染なのだけど、あやが怪物と戦うなんて、心配なんだ」
『心配ないわ。ケイタ君、あなたも体験したでしょ。1発で怪物やっつけたのを。まあ、怪物の中では一番弱いけど』
「おれじゃ、ダメかな?怪物と戦うの。今日みたいに、おれがあやに変われば同じ波長?とかになるんだったら」
『いいの?アヤちゃんと同じ形に作り変えられ、同じ波長になるのに慣れるということは、どういう副作用があるかわからないよ。ケイタ君がアヤちゃんの性格もそっくりになってしまい、ケイタ君がなくなるかもしれないわよ』
「それでもいい。あやが怪物と戦わないなら・・・」
『わかったわ。覚悟ができているのなら、さっそく妖精界に来てもらうわよ』

ベルはそう言ってニコリと笑うと、そのちっちゃな手でケイタの大きな手を握りました。




それから、1週間後。



放課後の教室。

「あやちゃん。まだ教室残ってるの?わたし、部活が終わったから帰るところだけど、一緒に帰る?」
「もうすこしいる。ありがとう。先に帰ってて」
「わかった。また明日ね!」

この教室で起きた一週間前の出来事、突然、熊の怪物が現れ、私は気絶してしまった。教室はめちゃくちゃに荒らされたはずなのに、起きた時には何も壊れていなかった。目撃したみんなも忘れてしまっていた。でも私は覚えている。

すると窓から、眩しい光が差し込んできた。夕日の優しい光ではない。光の中から人影が見えた。でも背中から透き通った羽が見えていた。
それは私だった。妖精のコスチュームを着た私。こっちを振り向いた私は、しまったという表情で私を見つめていた。

(1話おわり)



こんな感じの内容です。これで完結しているとは思わないし、続きが読みたいです。だれか、ご存じな方、お知らせください(><)