作:夏目彩香(2000年8月20日初公開)
「あなたってサイテーよねっ!今まで気づかなかったけど、あなたのこと嫌いになったからもう私とは会わないでねっ!チョーむかつく!!」 愛美の口から放たれた言葉は、隆史にとって信じられなかった。突然人が変わったかのように愛美に言われてしまったからだ。 「お前がそういうなら。俺はもうお前には会わないよ。ただ、ひとつだけ教えて欲しいんだ。お前が突然別人みたくなったんで、どうしたのかなって」 「そんなこと、あんたに関係ないだろう。とっととうせろって」 豹変した愛美に呆れてしまった隆史は逃げるようにしてどこかへ行ってしまった。 「大事な愛娘なんだから、あんな奴には渡せるもんか。もっといい男を見つけないとな」 愛美の様子は周りの人からみても明らかにおかしくみえる。 それもそのはず外見は愛美ではあるのだが、実際の意識としては彼女の父親の意識が入り込んでいたのだ。 彼は、娘の愛美を溺愛しすぎたために、ついに愛美の彼氏選びを自らが実行しようと考えてしまったのだ。普通は考えられないことだが、彼の長年の研究成果も手伝ってようやく成功したばかりだった。 彼は愛美が付き合い始めたことを知り、今日のデートのタイミングを狙って、彼女の体の中に自分の意識を入り込めたのだ。この間は彼女の意識が奥底で眠ってしまうことになる。 父の意識が入った愛美はショーウィンドに映る自分の姿を不思議そうに見つめていた。 「愛美も大きくなったもんだなぁ。こんなに小さかったのに、今ではこんなに女らしくなって……いかん、いかん、今の私は愛美だった。こんなところで暇をつぶしている暇はないな。早く新しい恋人を見つけなくては」 ピンクのワンピースに見を包んだ愛美は長い髪をなびかせながら颯爽と歩き始めた。 しばらく歩いていると、道路の向こう側に愛美の正確には愛美の父が良く知っている人物を見つけた。 愛美はこれぞチャンスと言わんばかりに、その男めがけて一目散に走るのだった。しかし、履きなれていないミュールのせいもあって、早歩きをするのが手一杯、彼が交差点を回ったところで、見失ってしまった。 「せっかくいいチャンスだったのに……」 愛美がそっとつぶやくと後ろから人の気配がしてきた。 後ろからすかさず手が出てきたと思うや否や、そのまま抱きしめられ、細い路地へと連れ込まれてしまった。 愛美はしまったという表情をしながら、必死に助けを呼ぼうとした。しかし、口元をぐっと抑えつけられているので声も思うようにでない。 愛美を抑え付けているのは一人の男らしかった。愛美は掴みかかった手を振り払おうと必死だが、女の力では立ち向かえるものではなかった。もう観念するしかない、そう思ったときに、さっき見失ってしまった青年がここにやってきて、男を追っ払ってしまったのだ。 愛美のよく知る男は優しそうな表情を見せてこう言った、 「お怪我はありませんでしたか?よかったらその辺で少し休みませんか?」 心がずたずたになってしまった愛美は彼の言うことを受け入れ。表通りへと歩いた。 「そうだ。僕のうちはここから近いから、うちで休むといいよ」 愛美は思っても無いことを言われたせいもあって、すぐに承諾した。 これほどの即断即決をしていいものかとも迷ってしまったが、それでも彼女の心は決まっていた。 彼の家に着くと、彼女は大きな広間に通された。 「そこのソファーに座るといいよ。今コーヒー入れるね」 彼は台所でコーヒーを落とし始めた。 愛美はさきほどの恐怖もあってか、すっかりとこの男に惚れ込んでしまっていた。 そして、彼は2つのカップを手にして戻ってきた。 「熱いから気をつけて、砂糖は?ミルクは?」 「私、ブラックでいいわ」 はじめての女言葉も自然に出ていた。 「ブラックでいいって、通だよね。僕は砂糖がないと飲めないんだ」 「太りそうな感じがするじゃない、ただそれだけのことよ」 「そっか。スタイルいいのはそのためだね」 ここで二人そろって微笑した。 しばらく落ち着いた時間が流れてから彼が、 「ねぇ、落ち着いたかい?」 「うん、ようやくって感じかな?」 「そっか、それならよかった」 「それにしても、ここまで助けてくれていいのかしら?」 「ぜんぜん平気さ。僕の部屋は一人暮らしの割に広いから誰かいると落ち着くし」 すると、愛美は彼の目を見ながら甘えるように、こう言った。 「仕事はしなくていいの?」 「いいのいいの、僕の仕事は自分のやりたい時にしたらいいから」 「なんかかっこいいね。私の父なんて、普通のサラリーマンだから、なんか憧れちゃうわ」 テーブルの上には2つの空のカップが置いてあった。 「私、このままここにいていいかな?」 「どうして?夕方まではいいけど、それ以上は無理だよ」 「夕方までって、それから予定が入ってるの?」 「うん、まあね。ちょっと会わなきゃならない人がいて、それで……」 「私より大事な人なんだ」 愛美が悲しそうに言うと、彼は、 「そんなことないよ。ちょっと父の関係で会わなきゃいけなくて……本当は一緒にいたいよ」 「だったら、いいでしょ」 「しょうがないなぁ。断りの電話入れてくるから、それから決めよう」 「ありがとう!なんかいい人見つかっちゃったな」 「僕もそう思うよ。思いもしないところで……」 そう言いかけたところで彼は愛美に寄り添ってきた。 どうやら愛美の計画通りのことがはじまってしまうらしい。 彼は愛美の耳元にふっと息を吹きかけ、 「そういえば、名前聞いてなかったけど、君の名前は?」 そのことに愛美は応え、 「まなみ、って言うのよ。愛情の愛と書いて美しいって書くの。私に対する父の愛情が込められてるのわかるでしょ」 「そっか、まなみさんね。いい名前だよ」 「愛美って呼んでくれなきゃ、いや」 「それじゃ、愛美。これでいいね」 「うん、それでいいわ。シャワー浴びてくるから。それまでに電話しておいて」 「いいよ。じゃ、待ってる」 愛美はワンピースを脱ぎ捨てて、下着をゆっくりと下ろした。ブラも形を整えて脱衣所に置いた。 シャワールームに入ると愛美の目は鏡の中の自分に夢中になってしまった。 愛美の姿を自分がしている、いやこの体は愛美のものなんだということを考えると、ますます愛美のことを愛してしまいたくなっていた。 愛美の仕草を真似ながら、体を洗い、髪を洗い、丹念に丹念にきれいにしている。 シャワーを止めた瞬間、彼が電話で話す声が聞こえてきた、ずっと流しっぱなしにしていたせいか、外の音はまったく聞こえ無かったので、止めたとたんによく聞こえた。 その会話をこっそりと聞くと、 「※○△?※×△?◇」 「ということで、今日は行けなくなったから」 「※○△?※×△?◇」 「それじゃ」 携帯をパタッと閉じて、彼は軽くため息をついた。 そして、シャワールームから愛美が出てくるのを見つめた。 「きれいになったね。ベッドに行く?」 愛美はそのまま首を縦にふり、彼の言うとおりに従った。 「このままでいい?」 バスタオルもまかない愛美が彼にそう言ってきた。 「うん、ちょっとぐらい濡れている方がいいからね」 「よかった。じゃあ、ベッドに行こうね」 二人はゆっくりとベッドに向かっていた。 そこにあったのは、キングサイズほどのベッドで大人が二人ゆうゆうと寝られるスペースが十分にあった。 彼と一緒に愛美がベッドの上に倒れこんでいった。 彼は自分の上着のボタンを取り外し始めた。 そのとき愛美は興奮を感じ始めていた。 彼も愛美同様に裸になると、執拗に愛美のおっぱいに手を出してきた。 「あ~ん。あっあっん。愛美も大人になったもんだ」 「どう、気持ちいいかい?実は僕、初めてなんだ」 そういいながらも彼の手の動きは愛美の胸を揉みつづける。 「あああ。そうなの?私も初めてだから。大丈夫よ」 しばらくその状態が続いた後で、次は彼女の手が彼の股間に近づいていった。 彼のびんびんに大きくなったモノに手が触れた瞬間、 「あっ!」 と彼は大声を上げた。そして、それと同時に手の動きを止めてしまった。 「駄目じゃない。手を止めちゃ。それとも私のこと嫌いなの?」 「そうじゃなくって、君の手がとっても感じちゃったみたいなんだ」 「ふふふ、子供なんだから。うふっ」 愛美は甘える子供みたいに彼にそう言った。 彼女の手は大きくなったモノを握り締めていた。 「しょうがないわね。私があなたを気持ちよくしてあげなきゃ、気持ちいい?」 「あー、うー、気持ち良いよ。良・す・ぎ・て……声……になら……ない」 愛美の手はごしごしと彼のモノをさすっていた。 「ねぇ、それしゃぶっていい?」 彼の顔に目をやると、すかさず首を縦に振った。 「おいしそうなんだもん。頂くね」 愛美は口の中に彼を入れていった。 「これがフェラチオね。いつもはやられてばかりだったけど、今日は攻めるほうなんて、なんかおもしろい」 彼にはその声も届くことなく、 「我慢できないよ。愛美のあそこ準備できてる?」 そう言って、彼の指が愛美のあそこに入ってきた。 「どれどれ、まだだね。これじゃ、僕、我慢しなくちゃ」 「我慢なんて体に悪いわよ。もう入れちゃってみて、なんとかなるから」 「いいのかい?」 「何が?」 「痛くないのかなって?思ったんだけど」 「お互い初めてだもん、大丈夫!」 そういうと、彼のびんびんになったモノが愛美のあそこに挿入されだした。 「そうだ、あれつけなくて大丈夫?」 「何よ~。あれなんていらないわよ。だって、私とあなたの仲じゃない?」 「でも、子供できたら、責任とらなきゃならないだろう?」 「そのときは、責任とってくれればいいじゃない」 「うん、わかったよ。じゃあ、奥までいれるよ」 「体位はどうするの?」 「正上位でいいよ。ほかに良く知らないし」 「あんた駄目ね~、勉強しておかなきゃ!女の方から見ると、これがまた変な感覚なんだけどね」 そして、愛美の腰と彼の腰が激しく動き始めた。 「どう?これって気持ちいい?」 「うん、愛美のと僕のはぴったりみたい」 「そうだね。あ~ん。あっあっ、あひぃーん。こういう声で気持ちよくなれる?」 「うん、喋れないくらいまで、攻めなきゃ駄目かな?」 そういうと、彼はますます愛美を攻め始めた。 「ひゃーん。あああああんんん」 「どうだい僕のテクニックは?」 「うううう~んっんっん。いいわ。よすぎるよ。これしか知らないのにたいしたもんだ」 「そうだろう。それじゃ、一緒にいこうよ」 「もう私、行っちゃうよ~。ああああああああああああああああああああ~ん」 そうして、愛美は意識が真っ白になっていった。 愛美が意識を取り戻すと、彼はまだ意識を失っていた。 軽く彼を揺り動かすと、ゆっくりと彼は目を開け始めた。 「う~ん。僕より早く気づいてたんだ」 「うん、とってもよかったよ」 「ねぇ、子供できてたらほんとに責任とってくれる?」 寝ぼけたような声で愛美がそういうと。 「いいよ。その時は結婚しよう。そのときは君のお父さんに愛美さんをくださいなんて、言うんだろうね」 「不束者の娘ですがどうかよろしくお願いします」 愛美は軽く下を出しながら、元に戻ったときに言う台詞をそのまま言っていた。 (終わり) |
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