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中途半端な憑依人たち①~10人の憑依人~ 作:無名 彼らはー、 ”中途半端な憑依能力”を持つ憑依人たちだったー。 ”10秒しか憑依できない” ”片手しか支配できない” ”常に自分の霊体が相手の後ろに浮かんでしまう” そんな、欠点持ちの憑依能力者たちの物語ー…。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ーーーークククー集まったなー」 荒れくれ者の集団・銀狼(ぎんろう)と呼ばれる組織に 所属する幹部候補の男・敷島 豪人(しきしま ごうと)は 笑みを浮かべながら 集まった男たちの方を見つめていたー。 彼ー、豪人が招集したのは憑依人ー。 ”万年幹部候補”と言われてしまうぐらいに ”幹部候補”にいつも名前が挙げられているものの、 一向に幹部に昇進することが出来ず、 成果を上げることのできていない彼は、 噂で聞いた”憑依人”を金をエサに招集ー、 憑依人たちの憑依能力を使って、 悪事を働こうと目論んでいたー。 部下に命じ、”莫大な報酬”をエサに、 各地から集めた憑依人10名ー。 その10名を見て、 豪人は満足そうに頷き、笑みを浮かべていたー。 「ーークククー 憑依人の諸君、よく集まってくれたー。 俺が、今回君達を招集した、 銀狼の未来の幹部ー、敷島 豪人だー。」 豪人は笑みを浮かべながらそう言葉を口にするー。 憑依人10人は豪人の方を見つめると、 それぞれ会釈をするなどの反応を見せる。 「ーでは、早速だが本題に移ろうー これから、諸君らにはその憑依能力を 存分にふるってもらうことになるー。 が、その前に諸君ら10人の力を それぞれ見ておきたい」 豪人がそう言うと、 サングラスの男が「力を見ておきたい?」と、 そう言葉を口にするー。 「そうだー。憑依能力者もそれぞれ能力に特徴があると聞いたのでな この目で実際にそれを見ておきたい」 豪人がそう説明すると、 「なるほどねー」と、ツインテール姿の女子高生風の女がそう呟いたー。 「ーーククーあんたはそれ”自分の身体”なのか?」 他の憑依人がそう確認すると、 ツインテール姿の女子高生風の女は「ーー”今は”ねー」と、 それだけ言葉を口にしたー。 「ーへへーゾクゾクするぜー」 質問したバンダナの男がそう言うと、 豪人は咳払いをして「それで、諸君らの憑依能力のテストをする方法だがー」と、 そう言葉を口にすると、 ”部下”に合図を送るー。 すると、部下が手錠に繋がれた若い女を連れて来たー。 「ーーひっ……お、お願いだから許してー」 その女が、銀狼の幹部候補・豪人の方を見つめると、 豪人は笑みを浮かべながら首を横に振るー。 そして、その女を無視して、 憑依人10人の方を見つめると、豪人は言ったー。 「この女は、俺の恋人だった女ー、 夢乃 美桜(ゆめの みお)だー。 まぁ、愚かにもこの女は エリートサラリーマンの男と浮気して 逃げようとしてなー。 だからこうして捕らえてやったのさ」 豪人はそれだけ言うと、 「ー諸君ら10人には、この女にそれぞれ憑依して、 その憑依能力を見せてもらう」と、 改めてそう言葉を口にするー。 そんな言葉に、美桜は 「ゆ、許して!何でもするから!」と、 目に涙を浮かべながら叫ぶー。 「ーーククー 何でもすると言ったな? なら、ここにいる10人の憑依能力を その身体を使わせてもらおうか」 ニヤニヤしながら、豪人がそう言い放つと 美桜は「か…身体をー…」と、怯えた様子で 呟くー。 「ーちょっと待ってくれー。 その子と浮気したって言う ”エリートサラリーマンの男”はどうなったー?」 眼鏡の憑依人がそう言葉を口にすると、 美桜の方を見ていた豪人は 「そいつはもうこの世にいないー。ドラム缶と一緒に海の底だ」と、 笑みを浮かべたー。 「ーーーー」 ゴクリ、と唾を飲み込む眼鏡の憑依人ー。 「ククー怖気づいたか?」 豪人がそう言うと、 眼鏡の憑依人は震えながら言ったー。 「いいやー。素晴らしいー これは歓喜の震えだよー」 とー。 その受け答えに豪人の方が少し気圧されながら ”憑依人ってのはやっぱイカれてやがるなー”と、 内心でそう呟くと、 「では早速ー、諸君らの憑依能力を見せて貰おうー」と、 そう言葉を口にしたー。 「まずは、あんたからだー」 10人の憑依人のうち、薄汚いシャツを着た男を指差す豪人ー。 小太りで、”冴えないおじさん”という感じの男だー。 すると、「えぇ、あぁ、はいー」と、男はそう言葉を口にすると、 「憑依人の山田(やまだ)と申しますー」と、自己紹介をしてから、 早速”憑依能力”を使い始めたー。 「ほぅー」 豪人は、その場で霊体になって跡形もなく消えた 憑依人・山田に少し感心して見せるー。 そしてー 憑依人・山田が美桜に憑依すると、 美桜が「ひぅっ!?」と、そう言葉を口にすると同時にーー ”その顔”が、 ”山田”のものになってしまったー。 「ーーーー」 豪人が”何だこれ?”と言わんばかりに何度か 瞬きを繰り返しては、目をこするー。 「ーーえへへへー どうもー。実は僕ー、憑依すると 憑依した相手の”顔”だけ、僕の顔に変わってしまう 憑依能力の持ち主でしてー」 顔だけ”山田”になった美桜が照れ臭そうに笑うー。 「ーー…」 豪人はその様子を見て首を横に振ると、 「ー肝心の顔が、あんたのものになっちゃ意味がないだろうが」と、 そう言葉を口にするー。 「ーーえ…ええ…す、すみませんー」 ”山田”の顔に変わった美桜が申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にすると、 チラッと他の憑依人の方を見つめるー。 バンダナの男ー 眼鏡の男ー サングラスの男ー ツインテールの女子高生風の女ー フルフェイスヘルメットの男ー 博士のような風貌の男ー 人形のような雰囲気の美少女、 ジャージ姿のイケメンー 頭にフクロウを乗せているヤバそうな男ー そんな、自分以外の憑依人9人を見つめると、 「ーー僕以外の皆さんは、きっと役に立つんでしょうね」と、 ”山田の顔になった美桜”の状態でそう言葉を口にするー。 「ーまぁ、でも、顔はそれでも使いどころはあるかもしれない。 次ー」 豪人はそう言うと、憑依人・山田に 美桜の身体から抜け出すように指示をするー。 美桜の身体から、山田が抜けると、 美桜はハッとした様子で周囲を見渡すー。 そうこうしているうちに、 「次はお前だ」と、豪人が指を指すと、 バンダナの男が「よし、俺だな」と、笑みを浮かべながら 前に出るー。 「ー俺は近藤(こんどう)だ。よろしくなー」 バンダナの男はそう言葉を口にすると、 「ー俺の憑依能力、見せてやるぜ」と、そう言葉を口にしてから、 先程の”山田”と同じようにその場で霊体になってみせたー。 「ほぅー」 豪人は”今度こそ使えそうな憑依人だな”と思いつつ、 バンダナの男が美桜に憑依するのを見つめるー。 「も、もうやめてー…ひっ!?」 美桜がビクッと震えると、 「ーククククー」と、途端に笑い出して その場で自分の身体中を触りー、 さらには両手で両胸を揉み始めたー。 「ー憑依してすぐにあんなに楽しむなんてー」 ツインテールの女子高生風の憑依人が言うと、 「野蛮だねぇ」と、サングラスの男が そう言葉を口にするー。 豪人は”こういう欲望に素直な奴は使いやすい”と、 バンダナの憑依人・近藤のことを心の中で評価するー。 しかし、その時だったー。 「ーーぶわっ!?」 突然、美桜の中からバンダナの男・近藤が 弾き飛ばされるように出て来たー。 「ーおい、まだ”終わり”とは言ってないぞ」 豪人が少し不満そうにそう言うと、 バンダナの男・近藤は笑いながら 「ーいや、俺の憑依能力は”10秒”しか憑依できねぇんだよー。悪いな」と、 苦笑いするー。 「ーーなに?10秒ー?」 豪人が不満そうに聞き返すと、 「ーーへへー…ちょっと時間は短いけどな」 と、バンダナの憑依人・近藤がそう言葉を口にするー。 「ーーーー10秒か…」 豪人は困惑した表情を浮かべながらそう呟くー。 流石に10秒では短すぎるー。 使い物にならないーと、一瞬豪人はそう思ったものの、 ”いや、憑依した相手をそのまま死なせたりする使い道はあるか?”と、 頭の中で考えるー。 「何だよ。不満か?」 バンダナの男・近藤がそう言葉を口にすると、 「そりゃ、不満だろ」と、 サングラスをかけた男ー 招集された憑依人の一人がそう言葉を口にしたー。 「あん?」 バンダナの男・近藤は少し不満そうに振り返ると、 「俺の名は、瀬島(せじま)ー」と、 銀狼の幹部候補の男・豪人に向かってそう宣言するー。 「ほぅ。自ら前に出るとは威勢がいいな」 豪人は”コイツは期待できそうだ”とそう思いながら 10秒間しか憑依できない憑依人・近藤に対して 下がるように言うと、 近藤は不満そうにそのまま一歩下がるー。 その様子を見て、 眼鏡の男は「ー使えない能力だな」と、小声で呟くと、 横にいた人形のような雰囲気の美少女が 「そんなこと言っちゃ、可哀想ですわ」と、呟くー。 「ーーだなー。 大体、銀狼とかいうよく分からない組織からの 金で釣られてここにやってくる憑依人なんて、 大した能力者はいねぇだろー。 完璧な憑依能力を持つ奴らなんて、 自分でいくらでも金を稼げるんだからなー ここに来るのはみんな、半端モンってことさ 俺も含めてな」 ジャージ姿のイケメン男がそう言葉を口にするー。 そんな会話をフルフェイスヘルメットの男は 微動だにせず聞いているー。 他の憑依人たちが口々に 色々な言葉を口にする中、今度は サングラスの憑依人・瀬島の方を見つめると、 瀬島はサングラスを外して、「俺の憑依を見せてやろう」と、 豪人に捕らえられた女・美桜の方を見つめたー。 既に二人に続けざまに憑依されて、すっかり怯えた様子の 美桜を見つめると、 サングラスの憑依人・瀬島は 少しだけ笑みを浮かべたー。 「ククククー… 可愛いじゃねぇかー どうして、あの男を裏切ったー?」 美桜に対して、銀狼の幹部候補の男・豪人を裏切った理由を 聞き始めるサングラスの憑依人・瀬島ー。 しかし、美桜はすっかり怯えてしまっていて、 「ぁ…あ…」としか言葉を発さない。 「クククー可哀想にー 何だったら、俺の女にしてやろうかー? アイツに捕まっているより、マシだぜ?」 サングラスの憑依人・瀬島はニヤニヤしながら言うも、 銀狼の幹部候補・豪人は不満そうに 「おい、早く憑依能力を見せてもらおうか」と、 そう言葉を口にするー。 サングラスの憑依人・瀬島はその言葉に 「まぁまぁ、そう慌てるなよ」と、そう言葉を口にすると、 他の9人の憑依人たちを見つめるー。 先程のバンダナの憑依人ー、10秒しか憑依できない近藤や、 冴えないおじさんー… 憑依した相手の顔が自分の顔に変わってしまう山田の方を見つめると、 「俺は、お前たちとは違う」と、そう言葉を口にすると、 「俺と同じ憑依能力を持っている憑依人は、なかなかいないぜ」と 自慢気にそう言い放ってから、 美桜の方を見つめたー。 そして、美桜にキスをすると、 サングラスの男・瀬島は そのままその場に倒れ込んだー。 「ーーそうやって憑依するタイプか」 豪人がそう言葉を口にするー。 これまでの二人の憑依人は、 その場で自分の身体を霊体に変換して 憑依するタイプの憑依人だったー。 そのため、時間が10秒だったり、 顔が自分のものになってしまったりと、 大きなデメリットを持ってはいたものの、 抜け殻となった自分の身体が捕まってしまったり、 命を奪われるリスクはなかった。 がー…3人目の憑依人であるサングラスの男・瀬島の場合 自分の身体が抜け殻になってそこに残ってしまうタイプの男であるため、 そういうリスクが存在するのは事実だったー ”ーーまぁ、簡単に顔を見られないために それでサングラスをかけてるってとこかー” 豪人はそう思いつつ、憑依された美桜の方を見つめる。 「ーーあ…… えっ…?」 が、美桜はソワソワした様子で、 怯えた表情のまま周囲を見渡しているー。 「ーーーー」 豪人は少し戸惑いながら、そんな美桜の様子を見つめるー。 「ーなんだ?どうなってるんだー?」 イケメンなジャージ姿の憑依人がそう言葉を口にすると、 美桜も「…い、今の人はー…?」と 怯えた雰囲気のまま、倒れたサングラスの男を見つめるー。 がーー その時だったー。 美桜の右手が突然、美桜自身の胸を揉む動きを し始めたのだったー ②へ続く ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 皆様おはこんにちばんは~~!! 最近は雨や台風が多くて 穏やかな天気な日が少ないですネ~…! その分、私の苦手な暑さは控えめですケド、 雨があんまり続くと、それはそれで大変デス…! 今回のお話は ”不完全な憑依能力”を持った憑依人たちが 集合して、能力を披露するお話デス~!! 残りの人たちがどんな能力を持っているのかも 含めて、この先も楽しんで下さいネ~!! |