フォロー&RTでわたしの身体をあげちゃいます② (完)
 作:無名



フォロー&RTキャンペーンで
美奈津の身体をゲットした辰雄。

美奈津と入れ替わって、美奈津になった
辰雄は、さっそく欲望に満ちた生活を送る…!

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「うっへへへへへへ♡ へっへへへへへへ♡」

さっそく、美奈津の身体を
楽しみ始める辰雄ー

辰雄になった美奈津が立ち去ったのを確認した
美奈津になった辰雄は、
さっそく狂ったように、胸を揉み始めたー

「あ…♡ いぃ♡ いい♡!」

今まで感じたことのない感触ー
胸ってこんな感触なのか、と美奈津(辰雄)は
顔を真っ赤にして興奮しながら
両手で胸のふくらみの感触を存分に味わい、
はぁはぁと息を荒げるー。

「--あぁぁ…この感触ぅ…」
裏返った声で嬉しそうに呟く美奈津(辰雄)

さっきまでの落ち着いた感じは失われて
欲望に溺れた女の姿がそこにはあったー

「はぁぁ…これが…毎日…毎日触りたい放題なんだ…♡」
美奈津(辰雄)が、早口でそう呟くと、
続いてスカートから覗く、タイツに包まれた足を見つめたー

「あぁぁぁ~♡これがスカートの感触ぅ~!
 いひひひひひひひひっ♡」

足をバタバタさせて笑う美奈津(辰雄)

「---はぁぁ…タイツ~ぅ♡」
近くの椅子に足を乗せて
うっとりとした表情でタイツに包まれた
美奈津のー、いや、自分の足を見つめるー

両手でタイツの手触りを確かめながら
ニヤニヤとする美奈津(辰雄)-

やがて、タイツに包まれた足が
たまらなくいとおしくなって、
その足をペロペロと舐め始めたー

「んふふふふふふ…♡
 おいひい…おいちい!!」
美奈津(辰雄)はペロペロと自分の足を舐めながら笑うー

「おいちいよぉ~♡ うへへへへへへへ♡」
激しく自分の足を舐めながら
さらにはニオイまでかぎ始めるー

完全に狂った表情を浮かべる美奈津(辰雄)

身体が激しくゾクゾクするー
身体が激しく火照るー

これが、女のーー
美奈津の快感かーー!!!

美奈津(辰雄)はあまりの興奮を抑えられなくなって
自分の身体をぎゅーっと抱きしめるような仕草をしながら震えるー

「あぁぁぁぁ…すげぇ!」
額から汗まで流れだすー

この上ない快感ー

ゾクゾクしすぎて体温まで上がるー

「うへへへえええええええ♡
 女の快感って、、すげぇ…すっげぇぇぇぇ♡」

美奈津(辰雄)が大声で叫ぶー

身体が激しい痛みまで発するー

こんなに興奮するなんてーー

「うおぉぉおおおおおおおおお!!!」
美奈津(辰雄)は、スカートをものすごく乱暴に脱ぎ捨てるー

身体が激しく火照るー
すげぇ熱だ!と思いながら
「これが俺の身体だ~~~!!!」と大声で叫びながら
服を引きちぎるようにして脱ぎ捨てる。

「すげぇ!すげぇ!すっげえええええええええええ!!!」

はち切れそうなほどの声を出しながら
美奈津(辰雄)は叫んだー

・・・・・・・・・・・・・・・

辰雄になった美奈津は、
辰雄から教えてもらった
辰雄の家に向かうー

「--はぁ~あ、こんな身体しかなかったけど…」
辰雄(美奈津)が呟く。

「ま、いっか」
こんな容姿でも、
大学生だー
自分とほぼ同じ年齢ー

なら、仕方がない。
これから辰雄の身体を自分色に変えればいいー

本当は、同性のほうが良かったけれど
美奈津にはそうも言ってられない事情があったー

どうせなら、イケメンの男子とかが
良かったけれどー
釣れたのは、エロい男数名ー
他はおじさんとか、辰雄以上にもっとやばそうなやつとか、
そういう人しかいなかったー。

そして、美奈津は消去法で最終的に
辰雄に当選を知らせて、辰雄と入れ替わることにしたー

美奈津は慌てていたー

けれど、結果的にーー
美奈津は勝った。

こうして、辰雄と入れ替わることができたー

そうー
美奈津の、勝ちだ。

”フォロー&RTでわたしの身体をあげちゃいます”
なんて、怪しいキャンペーンに引っかかる人間はわずかだ。
しかも、美奈津の使っていた「かすみ♡」のアカウントの
フォロワーは少なく、大して拡散もしなかった。

しかも、ほとんどの人は、いたずらだと思っていたのか、
辰雄よりも先に当選のDMをした相手には無視されたー

美奈津には、時間がなかったーーー

なぜならーーー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「-えっへへへへへ!えっへへへへへへへへ~~♡」
美奈津(辰雄)は下の方を手で弄び、
激しい快感を味わっていたー

顔からボタボタと汗が垂れるー

女ってこんな、汗だくになるのかーー
こんな、、こんなに熱が出るのかーーー
エッチしてると、こんなに全身に激痛が走るのか~!!!

美奈津(辰雄)は、今まで感じたことのない感覚を感じながら
「女ってさいこ~~~~~!」と
叫んだー

だがーーー

「ぐっ…」
痛みがさらに激しくなるー

全裸の状態で、苦しみだす美奈津(辰雄)-

そしてー

「ぐはぁぁぁっ!?!?」

口から、吐血したーーー

激しい痛みー
熱ーーー
悪寒ーーーー

美奈津になった辰雄が感じていた
激痛や、異常な発熱、冷や汗ーーーー

これは、女体でエッチしたことによるものではないー

初めて女としてエッチをした
辰雄は気づかなかったが、
普通の女の快感ではないー

激しい激痛なんてふつうは走らないし、
冷や汗を流すような熱は、出ないー。

これはーーーー

「ぐはぁっ!」
さらに吐血する美奈津(辰雄)

「な、、、なんで…?」
美奈津(辰雄)が震えるー

そして、、何の服も着ないまま、
そのまま意識を失ってしまったーーー

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

「---うっ…」
美奈津(辰雄)が目を覚ますと
そこは病院のベットだったー

「え……」
点滴やいろいろなものが身体に繋がれているー

身体に力が入らないー

そしてー
そこに先生がやってきたー

「狩谷さん…」
先生が言う。

「先日、急に病院を抜け出すものだから
 驚きましたよー。」

それだけ言うと、先生は悲しそうに呟いた。

「狩谷さん、、
 お気持ちは分かります。
 ですが…」

先生は首を振った。

「え…どういうことですか?」
美奈津(辰雄)が言うと、
先生は答えたーーー

”不治の病ー”

美奈津は、病気だったー。
しかも、余命宣告を受けているー

もう、助からないー

美奈津は、、余命宣告を受けてから
数か月ー
”その日”が迫る中、
病院を抜け出したー

そしてーー
ツイッターでフォロー&RTで”生きられる身体”を探し、
辰雄と入れ替わったーーー

「--え…じゃあ、おれ、、じゃない、、わたし…
 し、死ぬんですか!?」
美奈津(辰雄)が叫ぶー

先生は、答えないー
答えなかったがー
悲しそうな表情は、すべてを物語っていたー

「そ、、そんな…!」

美奈津になった辰雄は思い出すー

”そういえばーーーー”

美奈津の部屋に妙に生活感がなかったのはー
美奈津が入院中だったからー

美奈津の
「お互い、死ぬまで相手の身体を使い放題ですし、
 わたしも、”身体を返して”とか、そういうことも
 絶対言わないので!」

という言葉はーーー

”どうせ、すぐに死ぬからー”

「--そんな!!!そんな!!!!」
美奈津(辰雄)が叫ぶー

だがー
美奈津と入れ替わるまでの美奈津の言動に
”嘘”はひとつもなかったー

お金を取ったりしないー
と、美奈津は言っていた。
確かに取られていないー

入れ替わりも本当だったし、
後から文句を言わないというのも本当だったしー

美奈津は、嘘をついていないー

「くそっ!!!!!!」
美奈津(辰雄)は大声で叫んだー

「せ、、先生…俺は、、俺は美奈津じゃないんだ!」
女の声で叫ぶ。

「--え?」
先生が困り果てた表情を浮かべる。

「俺は美奈津じゃないんだ!美奈津に身体を入れ替えられてー」
スマホを慌てていじる美奈津(辰雄)。
美奈津のスマホのロック解除は教わっているー

そして、美奈津が入れ替わり相手を募集していたアカウント
「かすみ♡」を開くー

だがーーー

「---!!!」
美奈津(辰雄)は表情を歪めるー

既にー
アカウントは削除されていたー

「そんな…そんなそんなそんな」
美奈津(辰雄)が慌てるー

先生は悲しそうな表情で呟いた。

「---狩谷さん、まずは落ち着きましょう」

とー。

「ちがう!俺は美奈津じゃない!辰雄だ!
 調べてくれ!頼む!頼む!」

しかしーー
入れ替わりなんて誰も信じてくれるはずはなかったー
病院を突然抜け出したという美奈津の行動もありー
”死を目前にして錯乱している”と
判断されてしまった。

そしてー
すぐに美奈津の身体がもう長くないことを実感するー

次第に体調が悪くなりー
数日後には、起き上がることも
できなくなってしまっていたー

「---はぁ…はぁ…はぁ…」

”俺は美奈津じゃない”と叫ぶ元気もなくなってしまったー

女の身体を堪能するどころじゃないー

入れ替わった直後にエッチ三昧しただけでーー
死ぬことになるなんてーー

「あぁぁ…くそっ…くそぉ…」
目から涙をこぼす美奈津(辰雄)

やっぱりーー
やっぱり、罠だったんだーー。

辰雄は自分の人生を振り返るー

クソみたいな人生だった、と吐き捨てるー。

「--はぁ…はぁ…はぁ…」
自分の口から、女の子の荒い息遣いが聞こえてくるー

でも、
もう、そんなものに興奮する力もなかったー

次第に意識が薄れていくー

苦しい
痛い

それしか考えられないー
やがて、美奈津(辰雄)は意識を失いー
駆けつけた先生が必死に処置を試みたものの、
もう助からなかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1年後ーーー

大学に、イケメンの男子大学生がやってくるー。

「--お待たせ!」
可愛らしい女子に声を掛けられるイケメン男子。

「--お!きたきた~!」
イケメン男子が返事をする。

整った顔立ちに、すらりとした体型ー
ちょっとおしゃれで、明るく、コミュ力も高いー。

そんな彼には、彼女も出来ていたー

彼はーーー
辰雄(美奈津)だったー

辰雄の身体になった美奈津は
乱れた食生活を徹底的に見直し、
不潔を気にしなかった辰雄とは正反対に
身だしなみに気を付け、
その結果、体重を大幅に落とし、
また、清潔感にも気をつけたー

そしてーー
体重を減らし、身だしなみに気を付けて
おしゃれをしてーー

辰雄は、案外、イケメンだったのだー。

辰雄になった美奈津は、持ち前の明るさで
周囲と打ち解け、
周囲は「辰雄のやつが、別人みたいだ」と言いながらも
元々友達がいなかった辰雄の豹変を
周囲はプラスに捉えた。

友達が増え、彼女が出来て、
辰雄(美奈津)は今、充実した人生を送っているー

「---なぁなぁ」
彼女に向かって辰雄(美奈津)が言う。

あれから1年ー
男子大学生としての振る舞いにもすっかり慣れた。

「-俺が元・女子だって言ったら、信じる?」
辰雄(美奈津)が笑いながら言うと、
彼女が「え~!?信じるわけないじゃん~!」と笑うー。

辰雄(美奈津)は少しだけ懐かしそうに微笑むと
「だよな~」と笑いながら答えたー。

余命宣告をされた美奈津は、
ありとあらゆる手段で”身体から抜け出す”方法を探したー

”諦めたくない”
その一心でー。

そして、見つけた。
ネットで”入れ替わり薬”をー。

嘘だと思った。
でも、それに縋った。

どうせ、死ぬならー。
”もし、本当だったら”に賭けるー。

結果ー
美奈津は勝った。

まもなく死ぬ自分の身体を
下心丸出しの男に押し付けて
自分はその男の身体を奪ったー

美奈津の、勝ちだー。

「---ふふふ…生きてられるってやっぱり素敵…」
辰雄(美奈津)がボソッと呟いたー

「え?」
彼女が不思議そうに辰雄(美奈津)のほうを見るー

「ふふ、なんでもないよ!」
辰雄(美奈津)はそう言うと、
今日も男子大学生としての1日を始めるのだったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・

やっぱり…裏がありましたネ~!笑

皆様がもしもこんなキャンペーンを見かけて
作中の主人公みたく当選したら…
どのような行動をとるのか、ちょっぴり気になります~☆

警戒する人もいると思いますし、
直前思いとどまる人もいると思いますし、
主人公の彼のように…

2話完結だったのでシンプルな構成のお話でしたが、
ツイッターでこれ(フォロー&RT)を見かけた時に
急にビビッと浮かんできたネタだったので
”書かないと!”と思って書いた作品でした~笑

お読み下さった全ての皆様に感謝デス~!

次回は…今年もあと1ヵ月☆!な、タイミングで(たぶん…)
また皆様にお会いできればと思います~!

今月もありがとうございました!