これまでの、「仮面ライターディレイド」は──
「この世界は俺に書かれたがっていない……」 「貴方はTSバトルヒロインの世界を旅しないといけない」 「『スウィートハニィ』の世界か」 「やめろ、この戦いは無意味だ」 「助けてやるぜ。……うぉおおおっ!」 「いやああああっ……」 |
「う、うーん……」
ベッドの上で目覚めたハニィの前に、金髪の巻髪の少女が座っていた。変身を解いて、この世界での元の姿に戻ったつばさだ。
そして つばさの隣には赤い衣装とかつらを被ったままの小夏と黒髪の少女……いや、髪を黒く染めたマリア、それに白い小動物のぬいぐるみを着たシャドウガールがいて、心配そうにハニィを見つめている。
鳴神も怪人も、そして観衆も既にその場にはいない。
「……ここは?」
「救護室だ。奴らは追い払った」
つばさが答える。
「……えっと……あなたは?」
「俺の名前はつばさだ。鳩谷つばさ。で、こっちはココナッツだ」
「もう、ココナッツじゃありませんったら。何回言ったら。あ、杏子という名前でもありません。小夏と言います。あたしは灯小夏です」
「つばささんと小夏さんか、あなたたちがあたしをここに? ありがとう」
「礼ならいい。俺は何もしていない。それより説明しろ。ここは俺の知っているスウィートハニィの世界と少し違う気がするんだが」
「あたしもそう思います」
つばさに小夏が相槌を打つ。
「それが……あたしどうしてここにいるのか。確か岬の突端で『虎の爪』の怪人と戦っていた筈なのに、気がついたらこのベッドに──痛っ」
顔をしかめて頭を押さえるハニィ。
「……あたしが説明するんだです」
「マリア……ちゃん?」
世界の遅刻者、ディレイド。いくつもの世界を巡り、その瞳は何を見る?
仮面ライターディレイド
作:toshi9(原案:城弾さん)
第9話 Nuncalo Dejo (ぜったいにあきらめない)
「あたしの名前は桜塚マリア、ハニィの大親友なんだです」
「あたしだって大親友なんだニャ」
立ち上がった白い小動物のぬいぐるみ──シャドウガールがマリアの横から口を挟む。
「シャドウガールね。二人が混乱するでしょう、黙ってマリアちゃんの話を聞いて」
ハニィがシャドウガールを諭す。
「ごめんニャ、ハニィ」
そう言って、ぬいぐるみをかぶったまま、シャドウガールはハニィの肩に駆け上がった。
「さっきから気になっていたんだが、そのぬいぐるみは生きているのか?」
つばさがハニィに尋ねる。
「このぬいぐるみの中身はシャドウガールって言うの。以前は私を狙う『虎の爪』の刺客だったけれど、今はあたしの大切な友だち」
「大切な友だち、大切な友だち、ニャハハハ」
ハニィの言葉を繰り返し口ずさみ、機嫌良さそうに尻尾を振るシャドウガール。
「マリアちゃん、話を続けて」
「あたしたちのこの世界は、『虎の爪』に支配されてしまったんだです」
「えっ? 『虎の爪』に支配されてしまった? そんな、いつの間に……マリアちゃん、どういう事?」
ハニィが驚いた表情でマリアを見る。
「はい。日本も含めて世界の半分近くは『虎の爪』によって統治されようとしている。そしてその地域は今も増え続けているんだです」
「な、何だって!?」
「おかしいです。あたしの知っているスウィートハニィの世界はそんなじゃなかった……スウィートハニィとその仲間たちが『虎の爪』の野望を打ち砕いたはずです」
戸惑う小夏。首をひねるつばさ。何かがおかしい。
「あの日から全てが変わってしまったんだです。ハニィが『虎の爪』の怪人に敗れてしまった日から」
「ハニィが負けただって?」
「はい。断崖迫る岬の突端での怪人との対決で、怪人と対峙していたハニィが突然ふらふらと海に落ちてしまったんだです。その日以来ハニィは行方不明。そして日本は『虎の爪』によって政治も経済も支配されて、歯向かう人間はどんどん収容所に放り込まれてしまったです」
「…………」
「最初はみんな怯えて暮らしていたんだです。でもそのうち支配されることに慣れてしまって、『虎の爪』を新興政党のひとつくらいにしか思わない無関心な人間がどんどん増えていったです。そうしていつしか、『虎の爪』に支配される日常が当たり前になっていったんだです。ハニィが必死で戦っていた『虎の爪』に支配されるなんて、あたしは嫌だったです。でも、残った仲間だけでは為す術もなくって……あたしはハニィが生きて帰ってくることを信じて、ひたすら待っていたんだです。だから、ハニィがひょっこりあたしたちの元に戻ってきた時には本当に嬉しかった」
「でも、あたしにはあの怪人との戦いの途中から、さっき目が覚めるまでの記憶が全くなくって……」
マリアの説明に、ハニィが目を伏せる。
「ふむ」
「そうなんだです。喜んだのもつかの間、戻ってきたハニィの様子はどこかおかしかった。そのハニィから『『虎の爪』の一員になった』って告げられた時には、自分の耳を疑ったんだです。でもそれからのハニィは、『虎の爪』のことになると人が変わったように褒め称え、『虎の爪』に敵対する者は容赦なく倒していったです。あたしは罪のない人を笑って叩きのめすハニィが怖かった……これが現実だなんて認めたくなかったです」
肩を震わせるマリア。
「マリア……ちゃん」
「それでも、それでもあたしはハニィのそばについていようと思ったです。だって……こんなの本当のハニィじゃないって思ったから……きっと何かある、いつかきっと、ハニィは元のハニィに戻ってくれる。そう信じていたから──」
顔を伏せるマリアの両脚に、ぽたぽたと涙が落ちる。
「……ところで、お前たちはこのドームで何をしているんだ」
「髪を染めて衣装を着て、人気アニメのキャラクターの姿に成りきっているんだです。つまりコスプレ」
涙をぬぐって、つばさの問いに答えるマリア。
「それはわかるが、何でそんな事を?」
「勧誘なんだです。ハニィから『虎の爪』に優秀な人材を勧誘するから、一緒に参加しょうって誘われたんだです」
「勧誘?」
「このコスプレマーケットは、東西のドーム展示場を結んで同人誌の販売とコスプレコンテストが行なわれる一大イベントなんだです。特にコスプレコンテストは、全国から優秀なコスプレイヤーのグループが集まって盛大に行なわれているんだです。でも実は、『虎の爪』の主催で行なわれているイベント。本当の狙いは人々を『虎の爪』の怪人の姿に慣れさせてしまうことにある。そして、怪人を見ても怖がらない人間を『虎の爪』に引き込んでしてしまうんだです」
「どうやって勧誘を?」
「ほら、これ」
さっきまで二人が持っていたプラカードをつばさに見せるマリア。
そこには「僕たちと契約して『虎の爪』の一員になってよ」と書いてあった。
「怪人を怖がらない人間は、不思議とこのプラカードを見ると声をかけてくるんだです。そして彼らを鳴神さんがどこかに連れて行くんだです。『虎の爪』の一員にする為に──」
「鳴神が? 待て、どうしてそこで鳴神が出てくる?」
首をひねるつばさ。
「時々ハニィの前に現れては、いろいろ指示をしていたみたいなんだです。つばささんって鳴神さんの知り合いなんだですか?」
「知り合いなんてものじゃない……腐れ縁だ。それより、何でまともなお前がそこまでして手伝う?」
「あたしだって『虎の爪』の勧誘なんて嫌だったけれど、どんな時でもハニィのそばにいるって決心したからです。一緒に行動していれば、ハニィが元に戻る手がかりを見つけられるかもしれないって思ったから……だから絶対に彼女から離れないことにしたんだです」
「あたしだってそうだニャ。あたしはハニィと一緒なら、どんな所にもついて行くんだニャ」
シャドウガールも立ち上がって、胸を叩く。
「そしてようやく、ようやく元のハニィが戻ってきてくれたです。あたしの願いがようやく叶った……本当に良かったんだです」
「……あたし、すっかり記憶がなくって……マリアちゃん、シャドウガール、ありがとう。二人とも、ずっとあたしのことを見守ってくれてたんだね」
「当たり前なんだです。だってあたしはハニィの親友なんだですから」
「だニャア」
「でも、どうしてハニィさんの記憶が急に戻ったんでしょう?」
小夏が首をかしげる。
「お前が記憶をなくしていたのは、こいつのせいだ」
つばさは、ちぎれた赤いネックリボンをハニィに向かって放り投げた。
「これは?」
「さっきまでお前が首に巻いていたものだ。恐らくこいつがお前に別な人格を植え付けて、コントロールしていたんだろう」
「それって……それじゃあ、あたしは今まで奈津樹姉さんがパンツァーレディに仕立て上げられていた時と、全く同じことを……」
ネックリボンを握り締め、ハニィは身をぶるぶると震わせた。やがてぽたりぽたりと、その目から涙がこぼれ落ちた。
「あたしはずっと『虎の爪』からみんなを守る為に戦ってきた。それなのに、いつの間にか奴らの手先になって、罪もない人たちを不幸に陥れる為に嬉々として働いていたって言うの? なんてことを……」
「ハニィ、しっかりしてっ!」
「こんなことって……くやしい……」
(先生、そんなに自分を責めないでください)
「…………」
だがマリアの励ましにも、心の中のハニィの声にも、彼女はうな垂れたまま答えようとしない。
「おい、お前」
突然、つばさがハニィを指差した。
「つ、つばさくん、お前なんてそんな言葉……今のあなたは、かわいい女の子なんですから」
だが、小夏の言葉に耳を貸さず、つばさはハニィに問いかける。
「問おう。お前にとって正義とは何だ」
「正義? それは……みんなで笑いあって暮らせるような、そんな生活を守ること──」
「それじゃ、そういうことだ」
「え?」
「お前の正義を信じるんだ。確かに一度は『虎の爪』に敗れたのかもしれない。過ちがあったかもしれない。でも、ここで迷っていたら、それこそ奴らの思うつぼだろう。自分の正義を信じて、もう一度あいつらと戦ったらどうなんだ」
「あたしの正義……あたしの……」
「この世界はお前が守るべき世界だろう。お前がそんな弱気でどうするんだ。せっかく正気に戻ったのなら、自分の正義の為、自分の世界を守る為に戦うべきじゃないのか?」
「あたしの世界……そうか、そうかもしれない」
(先生、つばささんの言うとおりです。それにあの怪人を倒せば、もしかしたらこの世界は元に戻るかもしれません)
「そうなのか?」
(この世界はどこかおかしい……あってはいけない世界。世界の半分が『虎の爪』に支配されてしまったと言っても、何かできることがあるはずです)
「そうか……よし、わかった」
すっとベッドから降り立つハニィ。
「元気になったようだな」
笑おうともせず、つばさはハニィを見つめた。
「もう一度あの怪人と戦う。そして必ず勝つ。ありがとう、あたしすっかり動揺して……でも、もう大丈夫」
「ハニィ、元気になったかニャ?」
「うん、もう大丈夫。シャドウガール、心配してくれてありがとう」
シャドウガールの頭を撫でるハニィ。シャドウガールは嬉しそうに喉を鳴らした。
「ところで、あなたは誰なの? そんなにかわいいのに、さっきからずっと男言葉だし」
(そうですね。この子、ただ者ではありません)
「うん。この世界の人間ではない気を感じるんだニャ」
「俺か? ただの通りすがりの仮面ライターだ」
「仮面ライター?」
「俺はいつか俺の世界を書きたいと思っている。と言っても、自分の名前を出す気はないがな」
「だから仮面ライターだと?」
「そういうことだ。鳩谷つばさ、またの名を人呼んで『仮面ライター・ディレイド』」
マミさんのコスプレ姿のまま胸を張って見得を切るつばさ。その胸がぷるっと揺れる。
「名前を出さずに……それって聞いたことがあるんだニャ。え〜っと、そうだ、覆面ライターだニャ!! でもお前、どうして覆面していないんだニャ??」
「ほっとけ。それに覆面じゃない、仮面だ」
「仮面ねぇ…‥」
くすりとマリアが笑う。
「何だか似合わないんだです。あなた、やっぱりマミさんだです」
「だからこれはただのコスプレで……それよりも」
つばさは小夏を見る。
「小夏、お前はどう思う?」
「……パラレルワールド」
「パラレルワールド?」
「本来あるべき未来とは別の時間軸の世界です。ハニィさんを倒したという『虎の爪』の怪人が、この世界の過去を書き換えてしまったのかもしれません。彼らの野望を達成する為に」
「なるほど、で、そいつを倒すのが、ここでの俺の役目という訳か?」
「そうかもしれません。いえ、きっとそうです」
「しかし、そいつは何処にいる?」
「さあ、そんなこと私だってわかりませんよ」
首を横に振る小夏。
「ハニィ、何か心当たりはないのか? お前が負けた相手とはどんな奴なんだ」
「あたしが覚えているのは……大きなクワガタムシのような顎角とクジャクのような綺麗な羽を持った怪人。対峙しているといきなり大きく羽根を広げて、その羽根を見ているうちに段々気が遠くなって、そして意識をなくしてしまった」
(あたしも段々先生に呼びかけることができなくなって、何もできなかった。あたしがもう少ししっかりしていれば……先生をこんな目に遭わせずにすんだのに)
「気にするなハニィ、お前のせいじゃない。油断したあたしが悪いんだ……」
「え? ハニィさん、今なんて?」
「あ、なんでもない。独り言」
「……?」
心の声に相槌を打つハニィに、小夏が首をかしげた。
「とにかく、何か手がかりを見つけないと」
「ハニィに指示しに来ていた男が怪しいんじゃないかニャ」
「鳴神か、しかしあいつも本来この世界の人間じゃないはずだ」
「そう言えば、鳴神さんは?」
「さっき引き連れていた怪人を一掃してやったら、『覚えてろっ』て捨て台詞を残して消えてしまったよ。しかしおかしいな……あいつどこでこの世界の怪人と仲間になったんだ?」
ドカーン!!
その時、突然場内に爆発音が響いた。
「どうした?」
「行ってみましょう」
四人と一匹は救護室を出て、回廊を走った。
爆発音がしたのは、さっき戦ったドームとは反対側のドームだった。
中へ飛び込むと、イベント用の広場になっている。その一角に新たな異形の群れを引き連れた鳴神がいた。
「ディレイド、どこだあっ!? 姿を見せろっ!!」
広場を練り歩く鳴神とその後ろから続く怪人の群れ。それを何かのイベントと思った客が、次々にカメラや携帯のシャッターを切る。
「うわぁ、すげえ、イベントに出てくる怪人は本物って噂通りだ!」
「ギギギギ、何だ貴様ら、邪魔だ!」
「ぎゃっ!!」
鳴神の後ろから進み出た大型の怪人が、近寄ったカメラマンの一人を片手で払いのける。
吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられたカメラマンは、ぐったりと動かなくなった。
「な、なんだ、危ないじゃないかっ!?」
「うるさい、『虎の爪』の行動は絶対だ。お前たち逆らうのか?」
ざわつく会場内の観客。その目には怯えの色が浮かんでいる。だが「誰が『虎の爪』なんかに従うものか」と一人が叫ぶと、そのうち「帰れ、帰れ」とコールが湧き上がる。
「帰れ! 帰れ!」
その有様に、鳴神が激怒する。
「ええい、勧誘などと手ぬるいことは止めだ。貴様ら全員、『虎の爪』の奴隷となれ」
鳴神の背中に大きな孔雀のような羽が現れ、広げられていく。その羽根のひとつひとつには巨大な目玉のような模様が描かれていた。
その模様を見た周囲の人間は、観衆もコスプレイヤーも、カメラを手にしたカメラマンも次々に目をとろんとさせて、ぶつぶつと呟き始める。
『虎の爪』に忠誠を……シスターに忠誠を……
「あの羽根は!?」
(先生、あいつです、あの怪人があの男の中にいるっ)
「よしっ、今度こそあいつを倒す!」
観衆の間を縫って鳴神たちの背後に近寄るハニィとマリア、そしてつばさたち。
接近したハニィは怪人たちの前に飛び出そうとする。だがそれよりも早く鳴神に向かって飛び出した少女がいた。
桜塚マリアだ。
「この羽根、あの時の化け物だです。よくもハニィをっ!!」
背後から鳴神の頭を、マリアは手に持ったハリセンで思いっきり引っ叩いた。
「あぐぐぅっ!?」
頭を押さえて苦しむ鳴神。その体から一体の怪人が抜け出てくる。それはクワガタムシのような大きな顎角と、クジャクのような華麗な羽を持った怪人だった。
そして、怪人が体から抜け出ると同時に鳴神は正気を取り戻す。
「ややっ、俺はいったい何を? ここはどこだ?」
「鳴神の奴、怪人に取り憑かれていたのか……」
「そうみたいですね」
つばさと小夏は鳴神の様子に顔を見合わせた。
「ギギッ、こいつ、よくも邪魔してくれたなっ」
鳴神から抜け出てきた怪人は、マリアに向かって大顎をクワッと広げる。足を止めたマリアの目に一瞬怯えの色が浮かぶ。
「マリアちゃん、危ないっ!」
マリアの前に飛び出して、両手を広げて庇うハニィ。
「ハニィ、どうしたギギ。こいつは『虎の爪』の反逆者だ、この女を叩きのめすのだ」
「何を言うかっ。あたしはもうお前たちに従わないっ。叩きのめされるのはお前のほうだっ!」
「ネックリボンがない……そうか、正気に戻ったかハニィ。ならばもう一度我らの為に働け!!」
そう言ってハニィに向けて羽根を大きく広げる怪人。だがハニィは視線を微妙にそらす。
「無駄だっ、同じ手は二度と食わない。そんな羽根模様、見るものかっ」
「ギギ、ならば嫌でも見させてやる。貴様ら、ハニィをつかまえて、私の羽根を見せるのだっ。やれっ!!」
ステージのまわりにいたカメラマンたちが、ゾンビのようにゆらゆらと体を揺らしながらハニィとマリアに向かってくる。
「こいつら、変なんだですっ。正気に戻れえええっ!!」
マリアが次々に大型ハリセンでカメラマンを引っ叩く。するとカメラマンたちはその度に正気に戻っていく。一方……
「ハニィ、フラアアアアッシュ!!」
叫び声と共にハニィの体が光に包まれ、赤いバトルスーツはきらびやかな虹色のドレスに変わる。
「ファンシー・ハニィ、登場よっ♪」
操られていた若者やカメラマンが、ファンシー・ハニィの周囲に集まって写真を撮り始める。
「きっ、貴様らっ、何をやっている!? 早くあいつらを捕まえろっ!!」
だが、誰も怪人の命令に耳を貸さない。彼らはひたすらカメラをファンシー・ハニィに向け続ける。
「どお? 撮らずにはいられないファンシー・ハニィの魅力は。……うふっ♪」
(to be continued...?)
あとがき
最後までお読みいただいた皆様、どうもありがとうございました。
城弾さんの設定をうまく生かしきれたかどうか自信がありませんが、私なりの仮面ライターディレイドの世界を描いたつもりです。さて、この作品の舞台はハニィのイフ・ストーリー、『虎の爪』に支配されてしまった世界です。どんな舞台がいいのか考えているうちに、こんな世界での戦いを描いてみたくなりました。元になったディケイドにも、確か支配されてしまった世界が舞台になったエピソードがありましたよね。
バトルシーンは書いていて楽しかったです。でも少し遊びが過ぎたかなぁ。
最後に、仮面ライターディレイドの世界への参加を了解していただいた城弾さん、作中でキャラをお借りしたライターマンさん、そしてMONDOさん、改めてありがとうございました。
それでは!