ゼリージュースがある日常

作:月より





私は、鷲沢 萌。中学1年生。お父さんとお母さん、そして妹の唯(ゆい・小学1年生)の4人家族のとある1日の出来事です。



萌:ただいまー!もう今日はクラブでくたくた〜。

唯:おかえり、お姉ちゃん!

萌:ただいま、唯。あれ、お母さんは?

唯:なんか、買い忘れてものがあるからって、スーパーに買いに出かけたよ。

萌:そうなんだぁー。それにしても今日は疲れたよー・・・。
  何か冷たい飲み物、ないかなぁー・・・。



そうすると、唯が冷蔵庫からペットボトルを持ってきた。

唯:ハイ! お姉ちゃん♪

萌:ありがと♪ ん?いちごジュースだね。まっ、いいか!



ごきゅ、ごきゅ!



萌:んー、冷たくておいしい!!

唯:はやくー、はやくー!!

萌:はいはい。そんなに慌てなくても、逃げやしないよ。



萌はジュースを飲み終え、自分の部屋にカバンを置き、唯のいるリビングに戻ってきた。



萌:そろそろだね。服、脱がなくちゃ。
  唯もわくわくしてないで、唯の部屋から服、持ってきてね! 下着もだよ!

唯:はーい♪(ドタドタドタ・・・)

萌:慌てないでいいから!

唯:(・・・ドタドタドタ)はい! お姉ちゃん♪ ・・・あれ?お姉ちゃん??

萌:ここにいるよ。じゃあ、唯、そこでじっとしててね!



自分の服を持ったまま、じっとしている唯。



萌:じゃあ、入るよ!

唯:うん!



萌は唯に正面から近づき、目の前まで行くと膝を折り曲げて、おでことおでこを重ねるようにして、唯の中に溶け込み、首・胴・脚と入っていく。



唯:(んー!お姉ちゃんが入ってきてる♪)

萌:(唯、眼、痛くない? 開けたままだけど?)

唯:痛くないよー? お姉ちゃん、もういい??

萌:(慣れているからなのかなぁー・・・。唯、もう、数えてもいいよ。)



そう、心の中で唯に伝えると、萌は静かに待った。



唯:じゃあ、数えるよぉー! いーち、にぃー、さーん・・・



お姉ちゃんが吸収されていても、ごく普通に声を出して数える唯。



唯:はーち、きゅう、じゅう〜! ・・・いいよ、お姉ちゃん♪



そうすると萌は、唯の正面から、脚・胴・首と抜け出し、最後におでこが離れていった。

そして、透明だった萌の体に色が付きだし、身体は唯と区別がつかなくなった。



唯:わーいい! お姉ちゃんが、唯になったね!!

唯(萌):もう、唯、喜んでないで、持っている服ちょうだい。裸なんだからっ!



萌は、唯に服をもらうとその服に着替え、萌が着ていた下着は洗濯かごに、制服は自分の部屋に運んだ。



唯:何して遊ぶ? お姉ちゃん?

唯(萌):もうすぐ、お母さん帰ってくるよ! テレビでも見よ!

唯:うん! 今日は、お母さん、どっちか判るかな?

唯(萌):いつも、簡単にわかっちゃうのは、なぜかなぁー・・・。



がちゃ。



お母さん:ただいまー。遅くなってごめんね! スーパー、ちょうどタイムサービス中で、
      色々買っちゃった♪ もう、萌も帰っているよね!すぐごはんにするからね!



唯:おかえりー!お母さん!

唯(萌):おかえり!お母さん!



唯と唯(萌)が、玄関にお母さんを迎えにいった。



お母さん:こら、萌ちゃん。もうすぐ晩御飯なんだから、ゼリージュースなんて飲んじゃ
      駄目でしょ! そんなの飲んだら、お腹いっぱいになっちゃうでしょ!



お母さんは、明らかに唯に変身した萌に向かって話していた。



唯(萌):わたし、お姉ちゃんじゃないよおー・・・(なぜ、判るの??)

唯:お姉ちゃんは、私だよ♪(もう、ばれてる)

お母さん:二人とも遊んでないで、晩御飯の準備てつだって! 萌は、お皿に盛ったおかず
      を運んで! 唯は、テーブル片付けて!

唯&唯(萌):はーい!



そして夕食の準備ができ、3人がテーブルに着き、晩御飯を食べ始めた。



唯(萌):お母さん、なぜ私が萌だって、すぐ判るの?

唯:お母さんって、すごいね!

お母さん:親子なんだから、当たり前でしょ! それよりも、萌ちゃん。明日学校いくまでに、
      ちゃんとトイレに行くのよ。

唯(萌):はーい。

お母さん:もうすぐ、お父さん帰ってくるね。せっかくだから、ちょっと驚かせちゃおうか。

唯&唯(萌):??



20分後、お父さんが帰ってきた。



お父さん:ただいまー。今日の晩飯は何かなぁー・・・?!☆▲j

唯:おかえりー!

唯(萌):おかえりー!

唯(お母さん):おかえりー!



その夜・・・、ベットの中

唯(萌):(それにしても、なぜわかるのかなぁー。お母さんに唯になった私が・・・。
      んー、わからないー・・・)



お母さん:(萌ちゃんは何時になったら気づくのかな?変身後、唯と服装が違うことに。
       ふふふ・・・)




(終わり)