目覚め

作:tamago



朝目覚めると、顔に長い髪の毛が、掛かっている。

起き上がり体を見ると女物のパジャマを僕が着ている。

胸に二つのなだらかな丘が出来ている。

鏡を見ると由菜さんが、不思議そうに鏡を覗いている。

表情を変えて見ると由菜さんが、嬉しそうにしたり、悲しそうにしたり、自由に美しい由菜さんの表情が変わる。

ああ!?僕は由菜さんになったんだ!?この見知らぬお部屋は由菜さんの部屋かな?

肉体から由菜さんの良い匂いがする。嬉しい!?僕は由菜さんになったんだ。

何もかも由菜さんと同じ。

心の中を覗くと体の中で由菜さん自身がすやすや気持ち良さそうにまだ眠ってる。

由菜さんの記憶を探ると、どんどん最近の体験した。

記憶から昔の懐かしい記憶や楽しかった記憶や辛かった。悲しかった。

無意識の記憶まで、どんどん流れ込んでくる。

由菜さんの記憶の他に性格や癖や話し方までどんどん流れ込んで来て、

僕が僕じゃ無くなっていく。段々由菜さんの魂に僕の心が浸食されていって、僕が由菜さんに。

私が由菜に。

私は私になっちゃう。

嬉しい!私は私だ!私は由菜。

この世界に一人だけの私。

孝至さん。貴方は私の一部であり、全てになったのよ。

嬉しい?

貴方は幸せね。

ありがとう。

貴方の全ては私のものよ。変わりに私の全てを貴方にあげるわ。

孝至さん。私の中で溶けてしまって

私の中でお休みなさい。