「変身2 〜英美の親友〜 (前編)」

作・JuJu


「英美の学校に連れて行ってくれよ」
 ある朝、兄が私に言いました。
「なんで私が拓郎お兄ちゃんを学校に連れていかなければならないのよ?」
「女子校って興味あるんだよ。
 男だったら、誰だって一度は入って見たいと思う場所だろ?
 この姿ならばバレないしさ」
 私の兄は、男の人の性器……つまりチ○ポの姿で言いました。
 兄は朝になると、体がチ○ポになってしまう奇病にかかっていたのです。
 こんな恥ずかしい病気を誰に話せるはずもなく、兄と私だけの秘密となっていました。
 精液を出せば兄は人間の姿に戻るのですが、チ○ポになった兄は自分ではしごけないので、連日私に性処理を強要していました。
 今朝も性処理をやらされるのかと思うと気が重かったのですが、これでも血の繋がった兄です。放っておく訳にもいかず、兄の部屋に入ったとたん、兄が私の学校に生きたいと言い出したのです。
「精液は、昨日の夜出しきっておいたんだ。
 そしたらこの通り、今朝は勃起していないぞ。
 さすがに一晩では精液はたまらないようだな。
 だから、今日はしごかなくていいからさ。その代わりお前の学校に連れて行ってくれよ」
「嫌よ! お兄ちゃんを学校に連れていくなんて」
「嫌なのか?
 だったらこの前見たく、お前の意識を乗っ取って、お前の体で学校にいくからいいや」
 兄は私ににじり寄ってきます。
 私は逃げようとしましたが、それよりも早く、兄がジャンプをして私の足に貼りつきました。
 私は思わず、尻餅をついてしまいました。
「嫌! お兄ちゃんやめて!」
「だ〜め。だって今日は女子高に行くって決めたんだもん」
 兄は私の足を上ってきます。
 制服のスカートの中に入りこむと、下着の中に潜りこんできました。
 わたしの股間に張りつきます。
「わ、わかったわよ! 連れていく、連れていけばいいんでしょ?」
「うーん。ただ学校に行くじゃつまらないな。
 このままチ○ポをつけたままで、お前の学校まで行くと言うのはどうだ?」
「そんなの……」
「あーそう? じゃあ、やっぱり意識を……」
「それだけはやめて! わかったから! このまま学校に行くから!」

   *

 こうして私は、股間にチ○ポになった兄を貼りつけて、学校に向かいました。
 女の私の体に、チ○ポが付いている事がばれやしないかと冷や冷やしながら、私はサラリーマンやOLの人や、同じ学校の人のいる電車で揺られていました。
 他の乗客にばれない様に、兄がいるあたりにあるスカートのふくらみをカバンで隠します。
 ですが、やはり、変なポーズになっています。
 今の私の望みは、少しでもはやく学校に着く事です。
 一駅一駅の距離を、こんなに長く感じたのは初めてです。
 こんな所、友達にでも見られたらどうしよう?
「英美!」
「ヒッ!」
 背後から声がしました。
 振り向くと、親友の郁子でした。
「何、おどろいているのよ?」
「う、ううん。別に」

   *

 その頃、英美の股間に張り付いていた拓郎は思った。
(なんだよー。結構面白いアイデアだとおもったのに。
 暗いし、パンツは絞めつけてくるし、ちっとも面白くないじゃんか。おっと!)
 普段はパンツが絞めつけてくるのでいいが、電車の強い揺れがあると、落ちない様に拓郎は必死でしがみつかないとならないのだ。
 しかも、英美がスカートの上から学生カバンでグイグイとおしつけていて、苦しくてしかたない。
(くそう英美め、カバンを押しつけるとは地味な復讐をしやがって。 それに、この揺れ。たまんねぇよ……。
 こんなことだったら、カバンにでも入ってればよかったなぁ)
 そこに、郁子の声が聞こえた。
(お? この声は郁子ちゃんか?
 いてて! そんなにカバンで押すなよ。
 痛いてば!
 くそー。学校についたら憶えておけよ?
 そうだ!
 郁子ちゃんになれば、英美にイタズラできるかな?
 よし、学校についたら、郁子ちゃんにはりついて、体を借りよう!)

   *

 私は学校に着くと、女子トイレに向かいました。
 郁子ちゃんも着いてくるといったのですが、なんとか振りきって、学校の一番奥にあるトイレにかけこみました。
 ここは生徒がすくないからです。
 個室で、英美はスカートをまくって、パンツを下げました。
 股間についた兄をひっぱります。
 意外にも、兄はすんなり取れました。
「ふー。辛かった」
「辛かったのは私の方だよ」
「電車の中で郁子ちゃんにあっただろう?」
「そうだよ。郁子ちゃんにばれないか心配だったんだから!」
「ここが女子校か〜、苦労しただけのかいはありそうだな。
 じゃな! サンキュー。
 俺はさっそく、男のロマンの探索にでかけるのだ!」
 兄は私の手のひらから床に飛び降りると、キンタマを足代わりに、スタスタとあるいていってしまった。 
「絶対にみつからないでよ?」
「わかっているって!」
「絶対だよ!」
 股間にいる時はあんなに嫌だったのに、こうして歩いていってしまうと、兄の事が心配になってきました。
 このまま兄の追跡をしたかったのですが、授業があるので諦めてクラスに向かいました。
 そのあと、お昼休みや休み時間をつかって、兄を捜しましたが、どこに行ったのか見つかりません。
 とうとう放課後になってしまいました。
「お兄ちゃん、どこにいっちゃったんだろう?」

(つづく)