「ふふっ、首だけじゃ不自由よね。代わりにこの体を使うといいわ」

 女雛は机の上のメイド服を着たフィギュア人形を手に取ると、その首を引っこ抜く。

「正輝君、ほら、あなたが丹精込めて作った体でしょう。それが今からあなたの体になるのよ」

 ぞくっ

「まさか、やめろ、なに考えているんだ」

 正輝の中を冷たいものが通り抜けていった。だが女雛は保奈美の顔でにこっと笑うと、首の無いメイドフィギュアの身体に正輝の首を押し当てた。

 とたんに正輝の首はメイドフィギュアの身体にくっついてしまう。

 女雛は、メイドフィギュアになった正輝を机の上の鏡の前に置いた。

「ほら、かわいいメイドさんの出来上がり」

「これが俺なのか? このメイド服の人形が……俺」

 鏡の前に立たされた自分の姿を正輝は呆然と見ていた。