トレードマークの縁無しメガネをかけ、洗面所の鏡を覗き込む姿。
普通自分が映っている筈のそこに、メガネをかけた宮本がいる。
そして自分の姿はない。脇田が右手を動かせば、同じように鏡に映った宮本も手を動かす。
大体、長い髪が自分でも判るのだから、脇田自身が宮本になってしまったのは明白だった。