写真の中では、青い大きなパラソルを広げたレースクイーン姿の久美がにっこりと微笑んでいた。

 そこに映った久美・・・俺は何だかとてもうれしそうに見える。

 俺ってこんな顔して写真に撮られていたのか。

「とってもいい表情ね」

「よせよ。でも俺こんな表情してたのか」

「そうよ。楽しそうだったわよ。まるでほんとのレースクイーンみたいだった」

「俺は、もう俺自身がわからなくなってきた」

「あら、あなたはあなた。それを受け入れれば良いのよ」