写真を床に広げるとじっちゃんに教わった通りに印を結んで、写っている麻美の姿に集中する。精神を集中していくに従って彼女の姿は徐々に大きくなっていった。

 いや俺の体が小さくなっているんだ。

 やがて自分の体が写真の麻美が同じ位の大きさになると、俺は写真に向かってジャンプした。そして、プールに飛び込むように写真に飛び込んでいった。

 俺の体は写真にぶつかることはなく、まるで本当にプールに飛び込んだような気分だった。

 写真の中はふわふわと水の中を漂っているようだ。そして気がつくと、俺は自分がさっきの麻美と同じ格好をしているのを肌で感じていた。

 胸にさわってみたいという衝動を抑えて上を見上げると、手の届く所に薄い膜のようなものが張っていた。

 そうだ、早くこの中から出なくっちゃね。

 再びジャンプすると、頭の上にあった膜を突き破り、俺は地上に戻った。


 そして地上に戻った俺は麻美になった。