スポーツバッグの中に手を入れて、ナイロン製の水着の滑らかな感触を確かめた俺は、
朝丘美紀の顔でにやっと笑った。

「これを着て今から俺がビーチバレーするのか。こりゃ恥ずかしいな。でもまあ今の俺は
朝丘美紀なんだし、恥ずかしいけど今日の試合がんばらなくっちゃ。美紀ファイト!」

俺は朝丘美紀の仕草で小さくガッツポーズして駅に向かうと、お台場行きの電車に
乗り込んだ。