混乱している美保子をゆかりは上目遣いに見詰めた。

(ふふふ、そうさ、今度は俺がゆかりになって……うふふ)

「えっ、えっ!? ええ〜〜? ゆかり、あなた何を……キャッ!!」

 右手を美保子の左手にきゅっと重ね合わせると、ガバっと抱きつくゆかり。

 それを力なく受け止める美保子。

「せんぱい、好きです。あたしずっとせんぱいのことが」

 ゆかりに成りきって美保子に抱きついた明雄は、そう囁くと美保子の唇に己の唇を重ねた。