(うっ、何か急にもよおしてきたぞ)

 慌てて手洗いに入る美保子。勿論入り口を確認して女子トイレに入る。

(ふふふ、ここが女の園。男の俺が堂々と中に入れるとはな)

 洗面所では、数人の婦警が化粧を直している。

 美保子は彼女たちに軽く会釈をすると、空いている鏡の前に立った。

 その鏡に映っているのは制服姿の矢田美保子。

(これが俺、この美人の婦人警官が俺なんてな。ほんと不思議な感じだぜ)

 明雄がにやっと笑うと、鏡のゆかりも唇を歪ませて笑っていた。