「てめえらそこになおりやがれですっ!! このマリア様の親友を疑ったりする奴は、全員ハリセンのサビにしてくれるですっ!!」

 突然現れた一人の女子高生が輪の中の飛び込むと、蜜樹を庇うように、女子のグループに向かって啖呵を切った。

 蜜樹を囲んだ女子生徒たちの輪が解ける。

「だ、だれよあなた」

「ハニィの大親友、桜塚マリアとはあたしのことなんだです!」

「なによ、あなたちょっとおかしいんじゃない? 皆さん、いいから行きましょう」

「ま、待つんだです」

「マリアちゃん、ありがとう。もういから」

「でもハニィ、聞いてるあたしのほうがくやしくって。ちゃんと人の話を聞けって言うんです」

 くやしそうに蜜樹を見るマリア。

「それよりどうしたの? マリアちゃんがこんな時間にこんな所にいるなんて。電車を乗り継がないと来れない筈でしょう」

「親父と一緒にさっき生田生体研究所に来たんだです。でもハニィの帰りが遅いんで、何だか胸騒ぎがして。で、迎えに行こうと思ってここまで来たらハニィがガンつけられているのが見えて、それで慌てて走ってきたんだです」

「そうだったんだ。ありがとう、心配してくれて」