謙二が紙袋を開けると、中にはピンクのレオタードが入っていた。

 目の前でレオタードを広げる謙二の中を、再びぞくぞくとした快感が駆け抜ける。

 謙二は再びブルーイソギンチャクの中に取り込まれようとしていた。

「ふふふふ……それ、ママがいつもエアロビに着ているレオタードなの。お姉ちゃんにぴったりだと思うよ」

 謙二が布切れを広げてみると、それは光沢のある滑らかな生地で出来たレオタードだった。

「これを、着る……あたしが……」

「そうよ、だってお姉ちゃんは女の子なんだから」

 謙二はゆるゆると立ち上がると、広げたレオタードに足を通し、するすると引き上げていった。そのピンクの薄い生地は今の謙二の何も無い股間にぴちりと密着する。細くなった腰と大きな胸の盛り上がりは、その上に覆い被せられた光沢のある滑らかな生地によってさらに強調される。

 そう、謙二が身にまとったレオタードは彼の身体の柔らかなボディラインを一層艶かしく浮き上がらせていた。尤も首から上は元の謙二のままでなのだが、その姿は不思議と違和感を感じさせない。それは謙二を取り込んだブルーイソギンチャクの能力によるものなのか、今の謙二はボーイッシュな女の子と言ってもおかしくなかった。