パネルが再び点滅を始める。未久の姿が映し出されたディスプレイの隣にある、もう一つのディスプレイの中に男の姿が浮かび上がった。

 やがてそこにもカチカチと数字の列が表示され始める。すると、ディスプレイの中の男の姿は、ワイヤーフレーム状のシルエットへと変化した。
 それと同時に、ガラスケースの中が光に包まれた。

 ブーン……

 右のディスプレイの中に映ったそのシルエットが、奇妙に変化し始めた。まるで、何かの力で書き換えられていくかのように。
 身長が低くなったかと思うと、それと同時に筋肉のついた手足が、そして身体全体が、すっと細く、華奢なものに変換されていく。

 そしてディスプレイの画像は、ワイヤーシルエットから再び人物像に戻っていく……しかしその顔も、身体も、腕も、脚も、さっきまでの男の姿とは全く別の人物の姿に変わっていた。

 ……そこに映っているのは、一人の少女の姿。
 左のディスプレイに映った未久と全く同じ姿が、右のディスプレイにコピーされたのだ。

 やがて、カタン……と右のケースの扉が開き、中に入った人物がゆっくりと出てきた。
 そして左のケースに歩み寄ると、中に閉じ込められた未久の前に立った。

「あたし……だ……」