『みつお・フラァッッシュ!』

 ハニィの体が再び光に包まれる。白いブーツが赤い鼻緒の草履に変わり、着ていた赤いバトルスーツの腰から下はエンジ色の袴に、そして上はピンクの振袖に変化していく。赤い髪が伸び、その髪が紫色の大きなリボンで束ねられていく。

 そして手に持った細身のサーベルは日本刀に変わっていった。

「醜いこの世の悪を切る! 美少女剣士ハニィ、華麗に参上!」

 ハニィは女剣士の姿に変身していた。

「やった! 時代劇だニャ! ハニィ、かっこいいニャア!」

「うふっ、それほどでもね♪ ……っと、すみません、鉄格子から下がってください!」

 ハニィが鉄格子の向こうの男に声をかける。

 男は黙ってうなずくとゆっくりと後に退き、崩れるようにその場へと座り込んだ。

 どうやら長い間ここに閉じ込められていたらしく、足腰が弱っているようだ。

「もう少しの辛抱です。今助けますからね」

 中段に構えてじっと鉄格子を睨む、女剣士ハニィ。

「光武流奥義、桜華天翔!!」

 刀が一閃、二閃する。 

 そして次の瞬間、鉄格子は羊羹のようにいとも簡単に切り払われてしまった。